私の母は亡くなりましたが、父は、85歳の今も健在でいてくれています。年なりに不自由なところはありますが、本当にありがたいことです。
カウンセリングをしていますと、親に感謝することが難しい人に出会います。
というか、意識から締め出していたりします。
本当にもったいない。
誰でも視野の狭い子ども時代に親を認識します。
ですから、どうしても親に自分の未熟さを投影してしまうわけです。理想の親像と違うので、「◯◯してくれなかった」という記憶が鮮明に残ります。
投影元は、自分自身。親だろうがなんだろうが、自分の認識を通してしか、相手を理解できません。
相手への評価は、どこまでいっても自分自身の視野の広さを越えられないのです。
パソコンも定期的にバージョンアップするように、自分もどんどん成長して視野が広がっているはずです。でも、親に関しては、バージョンアップし忘れている人がほとんどなのです。
人生の前半で多大な時間をともにしたという意味は、自分の根幹だということです。
だから、親を過小評価していると、結局、どこかで自分という存在に確信が持てなくなります。そして、何をしても幸福を感じにくくなってしまうのです。
だけど、頑張っている自分がどうして幸せになれないかわからない。
だからたいてい、「これって親がいけなかったんじゃない?」と理由をそこに見いだします。
この世界は意味づけの世界です。
私たちは何にでもすぐに納得できる意味(因果関係)を見出そうとするクセがあります。
「親のせい」という考えは、簡単で誰でも納得してくれます。
だから、ずっと言い訳に使われてきました(自分がもう使わないとしても)。
でも、この理由を使っている限り、最終的に、どうしても自由には生きられません。
心のどこかで、損をしたという思いが残るからです。道徳として、親に感謝しようとしても、どこかに誤魔化しが残るのです。
本当に自由に生きるにはどうしたらいいでしょう。
普通は、こんなことを探求する人はいません。
だって、ぶっちゃけ、そこまで困っていないのですもの。
毎日、忙しいし。
でも、私は、どのような思考の枠組みが、人間を不自由にするのか、そして、人間を真に解放し、可能性を開く枠組みは何かに興味があるのです。
それには、親を許すとか、自分を励ますとか、心理学的なものの見方だけでは足りなかったのです。
実は、自分を制限しているのは自分しかいません。こう言うためには、世界の仕組みから導きだせる思考の枠組みが必要です。
私たちは心の深い深いところではそれを知っています。だから、親を悪者にしたままで成功できないと感じるのです。
心から楽しんではダメ、心から幸せになってはダメ。
これって、本当は親を喜ばせたくない(親の手柄にしたくない)子どものような復讐心なんですが、一方、こんな状態で成功してもねぇ〜という未来の自分も制限に同意しているのです。
過去と未来の挟み撃ちですね。
でも、認識は都合の良いように解釈されますから、「親のせいで制限された!」となります。
昔の私も、青い鳥症候群のように、どこかに理想郷を探していました。
それは、宝の山を持っているのに、持っていないと思い込み、いつまでも探し歩いている旅人のようなもの。一回りしたら、やっぱり同じ場所に立っているのです。
だから、また旅に出る。その繰り返し。
探す場所が間違っているので、失望だけが積み上がっていきました。
完璧な人間はこの世界にいない。
しかし、親に完璧を求める大バカが、自分で自分に呪いをかけていたのです。
成功すること、幸せを感じること、生きたいように人生を創造すること。
誰も止めていませんよ。
それそのものが、親への感謝なのですから。
もし、それができないと感じるなら、親への認識を徹底的に変えることがターニングポイントになります。
やがて、それは実のところ、方便なのだと気づくときが来ます。
そして、それがわかったなら、もう呪いは必要ないんです。
真面目な人は、世界の構造を知ったとしても、いつまでも小さくなろうとします。今こそ、ギアチェンジが必要なんです。
先日、父がポツリと言いました。
「おまえは幸せでいいなあ」
「ありがとう。そうなのよ。すべてお父さんのおかげなの。
お父さんの子どもで本当に良かった」言葉が自然に出てきました。
父はうれしそうに微笑みました。
こんな会話ができるなんて。
若かった頃の、傲慢で愚かで深刻で悲劇のヒロインぶっていた私が、泣いているのを感じました。
心の底からの涙です。
さあ、改めて、解除の言葉を唱えましょう。
[box class=”green_box” title=”人生を変える魔法の言葉⑪”]
もう、自分を許しもいいよ。もう、大丈夫。許しなさい。
あなたは、ようやく目覚めたんだから。これからは、思いっきり未来を作ってごらん。
もう、あなたにはその力があるのよ。成功してもいいよ! 幸せを感じてもいいよ! 生きたいように生きてもいいよ! 大丈夫。人生を思いっきり楽しんでごらん!
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