「大恩は報せず」という言葉があります。
だいおんはほうせず【大恩は報せず】
大辞林第三版によると、
「小さな恩義は負い目に感ずるが、
あまりに大きな恩義はかえって気づかずに過ごされてしまう」
とあります。
この言葉を知ったとき、
「ああ、本当にそうだなあ」と胸に染みました。
誰かから、思いがけずプレゼントをもらったとき、
誰かから、困っているとき声をかけてもらったとき、
恩義を感じて、なんとか報いたいと思います。
旅行へ行ったときお土産を買ってみたり、
お返しができる機会を心に留めるものです。
でも、
本当に感謝するべきことには、
気づかないことが多いのです。
その際たるものが、親に受けた恩。
子どものころから、
当たり前にしてもらった、たくさんのこと。
若いころは気づきもしません。
むしろ、足りないと文句を言ったりします。
そのくせ、自分が母の日や父の日にやったことは、
いつまでも覚えているのです。
当たり前は認識できないので、ありがたくない。
ですが、実際はどれほのことをしてもらったでしょう。
やがて社会に出ると、
当たり前なんてなかったのだと実感するのです。
「大恩は報せず」
あまりに大きな恩には気づかない。
久しぶりにそんなことを気づかせてくれた言葉でした。
明日は成人の日。
大人になるって、いいですよ!