《Müller-Lyer illusion》錯視の一つ。同じ長さの線分の両端に内向きの矢羽を付けると長く見え、外向きの矢羽を付けると短く見えること。ドイツの社会学者・心理学者ミュラー=リヤーが発表。(デジタル大辞泉)
有名な錯視ですね。
フラクタル心理学マスターコース上級でも錯視のお話を少ししますが、この錯視は、向きが違うものがくっつくと長さが違って見えることを利用したものです。
ただ、この錯視は非常に有名なので、同じ長さだと知っている人も多いでしょう。
私もそうでした。
ところで先日、とても印象深いことがあったんです。
あるセミナー講師(男性)から、このミュラー・リヤ−錯視を示され、「どちらが長いか」を聞かれたのです。
内心、「今さらそんな質問?」と思いながら、「同じ長さ」と答えました。
相手はニンマリ。実際には、長さが違ったのです(細工してありました)。
彼は「知識や常識が身を滅ぼすことがある」ということを示したかったのでした。
「もう、知っている」「それは、常識」と判断すると、その時の私のように、何も考えず答えてしまいます。
つまり、私はその時、「もう、知っている」という傲慢な気持ちから、長さが違うと感じていたにも関わらず、考えることを放棄してしまったのです。
知識・常識は、長い時間をかけて、多くの人が認めた考えです。
知識を持っていればいるほど、時間をショートカットできて便利です。
ですが、反面、それは思考停止を招くことでもあるのです。
権威がある人が言えば言うほど、私たちは何も考えなくなっていきます。その方がラクだからです。
さて、ここからが本題。
先日、メルマガを送らせていただきました。
予測困難な未来に備える!
人生には時々予測できないことがおこります。
今回の新型コロナに派生する様々な状況もその一つ。
予定していた計画が大幅に変わり
家にいる時間が長くなりました。
一部の職業以外、
日本中、いえ、世界中、総引きこもりになったのです。
そして引きこもっている間に、
どうやら以前の社会ではなくなったようです。
これからの社会はどうなるのでしょう。
いろいろな人がいろいろな未来を語っています。
でも、未来を正確に予測してくれる人は
どこにもいません。
予測困難な未来に備えるには、
2つの力を解放しましょう。
1 健全な妄想力
2 最先端へ行く勇気
このタイミングで、
未来になりたい姿をしっかり思い描いてください。
条件抜きに、発想を広げて!
そして、その未来の自分と十分に絆を結ぶのです。
未来の自分に必ず会う! そう思えるまで。
それから、小さな一歩を始めましょう。
未来は、
あなたの選択にかかっています!
変化の時代には、
錯視を見たときの私のように、考えることを放棄してしまうからです。
「当り前」「常識」「皆が言っている」と思えば思うほど、新しい発想は浮かばなくなります。
例えば、コロナ以前、大なり小なりこんな風に思っていませんでしたか?
「お客様とは対面で会わなくては」
「通勤電車は混んでいても仕方がない」
「会社へ行かなくては仕事はできない」
「社会人なのだからつきあいも断れない」
しかし、今や選択肢が一気に広がりました。
これは一例ですが、「絶対」などなかったのです。
だからこそ、こんな時代には健全な範囲での妄想(イメージ)が大切です。
一度、これまでの制限をはずして、本当にやりたいことを考えてみる。
そして、未来の自分はそれを自由にやっているとイメージするのです。
最先端にいる自分、もう誰も正解を教えてくれません。
自分で考えなくてはいけない。
でも、だからこそ自由に考えていいのです。
マスターコースでは、未来誘導という形でイメージを先取りします。
「未来にフックをかける」という言い方をしますが、最先端(未来)に立っている自分なら今どうするか感じてみるのです。
放っておくと、価値観は凝り固まっていきます。
錯視の例のように、線の長さは、長くても、短くても、同じ長さでも、ある意味、何を選択してもいいのです。
ただし、自分で決めたなら責任転嫁はもうできません。
そうやって、最先端に立っている自分と絆を結ぶことで、より進みやすくなります。
変化の時代こそ、健全な妄想力を解放するときです!