この世界はあなたの思考によって創造され、フラクタル(相似)構造で投影されています。
一色真宇著『こころの進化の6つの段階』 第5章 フラクタル構造と修正方から
そもそも、私たちはかつて赤ちゃんでした。これは、この世界で実際になにが起こったのかを理解するには十分な能力がなかったということを意味しています。しかも、赤ちゃんは究極の「傲慢・怠慢・無知」です。それで、私たちはたくさんの間違った思い込みを持ち、ネガティブな幻想を次々につくり出しました。
一色真宇著『こころの進化の6つの段階』 第5章 フラクタル構造と修正法から
つまり、言いたいことは、「わかるものだけをわかろうとすると、既存の脳の回路しか使えない。わからないものを真剣にわかろうとするから、新しい回路が作られる。そして、その回路ができたあと、本当に新しいものがわかるようになる」ということです。
大切なのは意図であり、手段ではありません。「今、まったくわからないものをわかるようになる」という意図が、私が壁を超えることを可能にしたのです。
一色真宇著『こころの進化の6つの段階』 第6章 学ぶために必要なこと から
TAW理論は2007年に完成しました。
私が一色先生の元で学び始めたのは、2005年のことです。
マスターコースも現在のようにあったわけではなく、一色先生自身が試行錯誤しながら教えていました。
その頃、私はちょうどギアナのような状態でした。
何をやったら人生がうまくいくかさっぱりわからず、悟りたいとだけ願っていました。
そんな自分を卑下もしていました。私は自己評価の低さにも苦しんでいました。
それで私は、まずスピリチュアル(セラピー)や占星術、形而上学、神秘思想などの本を手当り次第に読み始め、無力感や不自由感をなくす方法や生まれてきた目的を探しはじめました。
それから、セミナーやワークを受け始めました。
あの頃、悟った人や賢者は海外にしかいないと思っていました。
そこでは、常に「ノージャッジメント」が推奨され、頭で判断することを戒められました。
すべてを受容すること。
ただあること。
感じること。
大いなる存在と一致していくこと。
私の生活は、瞑想やセラピーの生活とその生活を維持するための俗な生活に分断していきました。
つまらない仕事(日常)をしてはお金をためて、聖の生活をする。
また、お金がなくなるとつまらない日常に戻る。その繰り返しだったのです。
私がこのような生活をしていいと思えた唯一の根拠は、苦しかったからです。
私は、家族の被害者であり、深く傷ついていると感じていました。
まあ、今となっては笑い話ですが、とにかくギアナのような状態だったのです。
ある時、そんな生活をやめるきっかけになる出会いがありました。
瞑想系セミナーに参加したとき、うんざりする女性に出会ったのです。
彼女は自己紹介で、自分をアダルトチルドレンだと言いました。支配的な父親(裕福な弁護士)に本当の自分を抑えつけられて育ったので自己評価が低く、生きづらさを抱えている。これまでも、セラピーを受けまくってきたと言うのです。
なんのアピールでしょう。
さすがの私も、その女性を見ているとムカムカします。
彼女は、傷つきやすく、ちょっとでも嫌なことがあるとすぐに感情的になります。
そして、自分のつらかった過去の話を聞いてもらうのは当然だとばかりの態度でした。
人は、自分の欠点を他人に投影して、やめようとします。
彼女に見たものは、まさに自分の姿でした(あれほどひどくないと言いたい自分もいます)。私の父も弁護士でした。
他人から、私もあんな風に見られている?
初めて、視野が広がった体験です。
それで私は本気でこんな生活をやめようと思ったのです。
紆余曲折のすえ、最終的にTAW理論にたどりついたのですが、私の感情脳は非常に活性化していたので、最初、TAW理論が頭に入ってきませんでした。
もちろん、頭ではわかるのですが、どうしても感情が受け付けません。
自分がまるでバカになったように感じました。
だから、
「360度自分!」「わかるとしたら、わかるとしたら」と唱えながら、新しい回路をつくろうと試行錯誤するしかなかったのです。
なんでもそうですが、壁を超えたいとき、「どのように」はわかりません。
わからないから壁なのです。
だから、まず絶対的な意図を設定するしかないのです。
「今、まったくわからないものを、わかるようになる」
「今、まったくできないことを、できるようになる」