マインドフルネスとは、「自分自身に今起きていることに意識を集中して、自分の感情・思考・感覚をあるがままに知覚し受け入れること」という意味だそうです。
マインドフルネスがない状態とは、例えば、気づいたら考え事をしていたというように、無意識に思考がぐるぐる回っているとき。
そんなときは、たいてい心配ごとや過去の出来事を考えています。あの人はこう思っているに違いないと人の気持ちを推し量ったり、刺激的なニュースを追いかけるように見ていたり、いずれにせよ、「現実」なのか「空想」なのかもわからず感情に巻き込まれています。
「今、私は心配ごとを繰り返し考えている」「今、目の前で起こっていないことに怒りを感じている」と、しっかり認識できないと、感情に支配されてしまいます。
考えがぐるぐるするのは、「今」ではなく「過去」に生きている状態。
「現実」ではなく「空想」に貴重な時間を使っている状態です。
「心配ごと」だろうが、「空想」だろうが、「妄想」だろうが、「思い出」だろうが、繰り返し考えていると、やがて「同じような感情」を味わうことになります。
それは、空想と現実の境目がなくなり、いつしか漫画のカット割りの世界にさまよい込んでしまうようなイメージ。漫画の世界の住人には、主人公といえども自由がありません。
だから、「今、ここ」を観察できるメタ認知を養うことが、いらない感情を作り出さない秘訣なんです。
たいていの不安、心配、怒り、悲しみは、脳が過去の思い出をもとに再生産したもの。
感情は「現実」とは無関係に、いくらでも作り出すことができます。
今、目の前にはない不安をつくるのはなぜか。
答えは簡単で、結局のところ、「ヒマ」だからなんです。
つまり、創造的(未来志向)でないという意味です。
この状態を、「脳がヒマ」状態と言います。
「脳がヒマ」だと、どういうわけか、ネガティブな思い出を再生産しやすいのです。
「脳がヒマ」が諸悪の根源だったんですね。
メタ認知とは、不安に思っている自分を、もう一段高いところから見ている自分のようなもの。
その視線が感情の暴走を止めてくれます。
時間を何に使うかは、個人に与えられた自由。
一日24時間はどんな人にも平等に与えられているのだから、感情の垂れ流しに使うのか、行動に使うのか完全に自由です。
「脳がヒマ」状態から脱出するきっかけは、身体を動かすことだったりします。
一番簡単なのが、部屋の掃除。
無駄な思考が多いかどうかは、自分の部屋(家)を見れば一目瞭然です。
家中、ごちゃごちゃ捨てられないものが多いならば、「脳の整理」が必要なときです。
逆に言えば、断捨離をすることで、脳も整理されるということ。
どちらのアプローチでも、意識的に生きることを助けてくれます。
意識的に生きるために、物も思い出も定期的に捨てましょう!