K: さて、第一子、末子ときたら、次は誰じゃ?
S:待ってました! いよいよ一人っ子ですね!!
ボク楽しみにしていたんです!
K: まだ、中間子がおるじゃろう。
S: ああ、そうだった!
モニカ! クールで自由な女!
モニカ is so cool!
S:でも、正直、モニカが一番わからないんです。
ツンデレというか。
K: そうじゃのう。
いつものように位置を考えてみるがよい。
中間子も最初は末子じゃ。
だが、下の子が生まれたとたん、
第一子と同じ悲哀を味わうのじゃ。
年子で下の子が生まれるとさらに悲劇じゃな。
第一子のように親を独占した記憶もない。
だから絶対的なプライドもない。
そうかといって、末子のように甘えることもできない。
3人以上兄弟がいると、
物理的に親が一人一人に時間をかけることはできない。
「誰にも必要とされていない」というのが
中間子のトラウマなのじゃ。
中間子は子どもの頃
「自分だけ脚光を浴びた」という経験がないのじゃ。
それは性格形成に独特な影響を与える。
例えば、親の注目を集めたいと思ったら、
できるだけ他の兄弟と違うことをやって目立つしかない。
自分がやりたいことをやるというより、
人と違うことをやるということが、
行動の基準になってしまっている中間子もおるぞ。
S: へー、なんだかかわいそうですね!!
地位も保護もないなんて、損ばかりじゃないですか!
K: いやいや、それは違うぞ。
デメリットしかないところにわざわざ人は生まれないぞ。
S: だって、地位もない、保護もないって、
他に何かあったかな……。
K:おまえにはない価値観があるのじゃ。
人生の3つの目的を思い出してみるがいい。
人間が欲するものはなんじゃ。
S: 地位(財産)と保護(愛)、
それと……、あ!
わかった、自由ですね!
K:その通り!
親にかまわれることが少ないということがメリットなのじゃ。
親という支配者がいないから、
中間子の頭の中は自由な空想で一杯じゃ。
つまり、中間子は、自立的、個性的な
発想ができるようになる訓練を
小さい頃から積んでいるのじゃ。
S:ふ~ん…、それがメリットなんですか?
K:中間子は、家族に期待することを
早い段階であきらめている。
ここは自分の居場所じゃないと、
どこかで思っているんじゃ。
もちろん、そうやって家族とは距離を保っても、
根は寂しがり屋だから、社交的なんじゃがな。
この微妙な心理、おまえにはわからんじゃろうなあ。
まあ、裏を返せば、指図されるのが大嫌いだから
中間子に生まれるのじゃ。
イメージは革命家じゃな。
既存のルールを打ち壊したいのじゃ。
中間子は、おもいっきりわがままじゃが、
末子のわがままさとは種類が違う。
中間子は自由のために、保護を捨て、責任を取る。
主流から距離を置くことで、
新しい価値をつくりだそうとする。
自分の考えで生きようとするからわがままに見えるのじゃな。
S: なるほどねぇ……。
だから、モニカはクールなんですね。
K: 中間子は、もっと自分のユニークさ、
価値をしっかり認めることじゃ。
自由のために、自分が親を拒否したのじゃ。
それが理解できたら、もっと自分の在り方に確信が持てる。
第一子も末子もなしえないことを中間子はできる。
そのユニークで自立的な意識は、一陣の風。
その視点が、やがて、家族に新しい価値をもたらすのじゃ。
自由とは可能性じゃ。
S:なるほど。モニカのあの魅力は、
自立心から来るのですね。
生まれた順位によってこれほど違うとは驚きです。
今回も勉強になりました!