S: 先生、ボク友人から
「マイペースで空気が読めないヤツ」
ってよく言われるんですよ。
K: それはおまえが一人っ子ということも
関係しておるな。
S:え? 確かにボクは一人っ子ですけど、
どうしてそんなことわかるんですか?
K:これは、 心理分析のイロハじゃ。
兄弟順位といってな、
人生の初期の目的が兄弟順位から読み取れるんじゃ。
S: なんだか面白そうですね。ボクは一人っ子ですが、
ボクの従姉妹が3人姉妹で、
おもしろいほど性格が違うんです。
ジェニファー、モニカ、レイチェル。
ぜひ、教えてください!
K:よかろう。まず、フラクタル心理学の基本は、
覚えておるな?
「思考が現実化」するじゃ。
ということは、兄弟順位のどこに生まれるかも、
偶然ではなく自分の意図がそこにあると考えるのじゃ。
S:はい。一人っ子も偶然じゃないんですよね。
K:そうじゃ。
さて、親と子の関係は、人生の土台じゃ。
これはタテの関係のパターンをつくる。
ヨコの関係のパターンは兄弟順位を見るとわかるんじゃ。
兄弟順位は、人と関わるときの基本的性格を形作ると言われる。
第一子はしっかりしているし、末子は甘えんぼうというイメージがあるが、
それは位置によって小さい頃から扱われ方が違うからじゃ。
フラクタル心理学では、
環境すら自分がつくったと考えるんじゃ。
もともとの思考が環境をつくり、
その環境がさらにその人らしさをつくっていく。
そう考えると、見えてくるものがあるぞ。
S: 面白そうですね!
生まれた位置に人生の初期の目的があるなんて。
もっと、知りたいです!
K: よかろう。まず第一子からじゃ。
しっかり者! ジェニファー
第一子は、両親にとって初めての子どもじゃ。
親にとって、初めての子に対する期待と不安は大きく、
自分たちのライフスタイルから徹底的に見直さざるを得ない。
赤ちゃん用のものは何もないから、
すべてを新しく買うじゃろう。
写真の量が一番多いのもたいてい第一子じゃ。
周りの人も大喜びでプレゼントを持ってくる。
他と比べられない存在。
大人だけの世界に突然現れる子どもは、
家庭の中心人物じゃ。
S: なんか、いいなあ。第一子はお得ですね~。
K:そうとも言えんぞ。
メリットの裏は必ずデメリットがあるものじゃ。
第一子には必ず独特な試練が訪れる。
それは、下の子が産まれたとき、
親の独占的な注目と世話を失うということじゃ。
唯一無二の存在からひきづり降ろされるんじゃ!
これは、第一子が持つ永遠のトラウマじゃな。
それまで、最高の物と最高の待遇が当然だったのに、
新参者に奪われてしまうのじゃ。
S: へ~。そんなことがショックなんですかね~。
ボクは弟が欲しかったですよ。
K:一人っ子は永遠に体験しないからのう。
まあよい。
子どものころは、感情的な脳が100パーセントだから、
ショックは想像以上にでかいのじゃ。
親は第一子に
「これからは、お姉ちゃんよ、しっかりしてね」
「下の子の面倒をみてあげて」
「自分でやりなさい」と言うんじゃ。
第一子にとって、親の態度が豹変したように感じる。
ショックじゃが、我慢して下の子の世話を焼くと、
「さすが、お姉ちゃんね」
「すごいわ、いい子ね」と賞賛される。
けっして、見捨てられたわけではなく、
「貢献する」ということを通して、
弟や妹という子分と名誉が授けられたというわけじゃ。
その反面、いつも下の子(世話するべき子)の存在がくっついてくる。
S: なるほど。
第一子の位置にいるから自然とそうなるんですね。
だから、ジェニファーはあんなにしっかりしているんだ。
年上のボクにも女王のように命令するんですよ。
へへ、ボクは案外そういうの、
イヤじゃないんですけどね。
K:第一子の深い失望をとるには、
本来の目的を思い出す必要があるんじゃ。
典型的な第一子のストーリーから見る、
人生の目的はなんじゃと思う?
S:今のお話から察すると、地位ですか?
K: その通りじゃ。
自由と保護をあきらめた代わりに、
地位を得たのじゃ。
イメージは王族じゃな。
生まれながらに高貴な存在。
地位と財産は当然自分のものと思える。
高いプライドを持ち、組織の序列を守り維持するために、
人に命令し、かつ人の面倒も見る責任感。
小さい頃から、この人間関係のパターンを
自然に身につけられる環境をつくったのじゃ。
子どもの頃は、損したと思うかもしれないが、
大人になり働き始めると、
結果として得た能力のメリットの大きさがわかるじゃろう。
S:なるほど。友だちの第一子は同い年なのに、
リーダー役をよく任されます。
本人は、イヤだと口では言っているんですけど、
なんだか彼、嬉しそうなんですよね。
そういうことだったんですね!
いや~、生まれた位置から
人生の目的がわかるなんて面白い!
続きを教えてください!!