S:先生、フラクタル心理学を学んでいると、時々、矛盾するようなことを聞くので、混乱することがあるんですよ。
K: 例えば、なんじゃ?
S: うーん、なんだっけな。ああ、例えば、ある時は、「わかるとしたらと考えなさい」と言われたり、「もう、わかった(知っている)と考えるな」と言われたり。
K:はは。何ら不思議はないじゃないか。
いつ、誰に言うかで事実は変化するのじゃ。
S: え? どういうことですか?
K:すべては、相対的ということじゃ。
相対的とは、絶対的な事実があるわけではなく、すべては他との関係や比較で成り立つという意味じゃ。
では、質問じゃ。「わかるとしたらと考えなさい」と言いたくなるのはどんな人じゃ?
S: ええと。いつも「わからない、わからない」と言っている人でしょうか。
K:その通り。思考が現実化するから、「わからない」と言い続けていると、本当にわからないことが増えていく。そうやって、依存している大人がたくさんおるぞ。だから、全く新しいことをやるときは、「わかるとしたら」と考えるといいんじゃ。
では次、「わかったと考えるな」と言いたくなるのはどんな人じゃ?
S: そういうことなら、
「もう知っている」と、それ以上学ぼうとしない人でしょうか。
K:そうじゃ。どんなことも奥深いものじゃ。
学問をはじめ、何事もいろいろな側面から成り立っている。
たった一つの部分を知っているからといって、「もう、わかった」と脳を遮断してしまうと、それ以上の成長が起こらなくなるのじゃ。まだまだ発見できるたくさんのことが見えなくなる。だから、かなりわかったと思ったら、「もう、わかった」をいったん捨てるんじゃ。そこから、新しい視野が開けてくる。
学習の最大の敵は、「もう、知っている」なんじゃ。
年齢が上がるほど新しい発見がなくなるのはこのためじゃ。
S: なるほど! すべては、相対的なんですね!
K:そうじゃ。矛盾しているようなことを聞いたとき、すぐに否定するのではなく「どちらも正しいとしたら?」と考えてみるんじゃ。すると、第三の道が見える。今のように自分で答えを導けるようにもなるぞ。
絶対的に正しいことも、絶対的に間違っていることもない。
すべては、相対的で、時と場合によるのじゃ。
S: なるほど〜。
K:カウンセラー、コンサルタント、先生、上司、先輩、親など、人にアドバイスをする立場の人たちは、このことを良く知っておく必要がある。
こういった立場の人が磨くべき能力は、相手の「時と立ち位置」を見抜く目じゃ。
それによって、アドバイスも真逆になることがある。
S: よくわかりました!
K:まだまだ、わかったと思うな!
S:ひえ〜。(>_<)
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