昔、「1万時間の法則」という言葉が流行したのを覚えていますか?
これは、心理学者アンダース・エリクソンの研究をもとに、作家マルコム・グラッドウェル氏が著書『天才!―成功する人々の法則』で紹介した考え方です。
どんな分野でも、その道のプロになるにはおおよそ1万時間の練習が必要だというもの。
でも実際は、「ただ時間をかければいい」という話ではなく、質の高い意図的な練習を積み重ねることが大切なのだそうです。
とはいえ1万時間。
正直、ピンときませんよね。
そこで、少し分解してみました。
たとえば1日3時間、その分野に取り組めば、年間で約1,000時間。
それを10年続ければ、ちょうど1万時間になります。
ちょっとイメージできてきました。
ただし、「10年」と聞いて、いきなり気合を入れても、たいてい挫折します。
そこでおすすめなのが、天体の周期を人生のマイルストーンとして使うという視点です。
たとえば、成長や拡大を象徴する惑星・木星(ジュピター)は、約12年でホロスコープを一周します。
※ホロスコープとは、惑星の動きを円形に描いた地図のようなものです。
このリズムに乗るなら、「10年かけて育てたものが、その後の10~12年でさらに拡大していく」とも考えられるでしょう。
ただ、はじめから10年を目指すのは息切れしやすい。
だから、まずは3か月だけやってみる。これが水星のサイクル。
それができたら、次は9か月(金星)。
次に1年(太陽)、そして2年(火星)。
なんでも2年やると、「ようやく、わかっていなかったことがわかった」
そんな逆説的な実感をもつことがあります。
これはかなりわかってきた証拠。
プロの入口に立っているということです。
だから2年目には、一度しっかり振り返りを。
そして覚悟が深まったなら、同じサイクルをあと5~6回まわすのです。
気がつけば、10年は自然に過ぎているかもしれません。
もちろん、その途中で軌道修正したり、立ち止まったりしてもかまいません。
そうした時間もまた、成長の大きな一部です。
けれど実は、いちばん大切で、いちばん難しいのは
「何に時間をかけるか」という選択です。
時間をかけるというのは、自分のエネルギー(命)を注ぐこと。
言い換えれば「愛を注ぐこと」とも言えるでしょう。
だから、あれもこれも欲張ると、結局すべてが中途半端になりやすい。
そして、迷っているうちに大切な時間がすり抜けていきます。
そんなときは、こう考えてみてください。
とにかく一つ選択して、三日本気でやってみよう。
三日坊主を10回やれば、1か月。
たった三日でやめたとしても、
考えているだけより、ずっと「始められる自分」になっています。
それでもぐずぐずしているなら、
こう宣言しましょう。
「私は、自分という存在のプロになる!」
クセ強な自分の取扱説明書を書けるのは、自分だけです。
迷ってもいい。
でも、どう生きるかは、一瞬一瞬選べます。
今日という一日を、最高の自分で生きること。
それが、人生のプロ。
今日できる最高の自分を更新していきましょう!