人生を変える言葉④ 聞きたくなかった、あのノックの音がする

「あと、3週間で死ぬとしたら、何したい?」
久しぶりに会った友人が、コーヒーを飲みながら唐突に言った。

え? ちょっと待ってよ。突然そんなこと言われても……。

私は固まって、すぐに返事ができなかった。

そうなのだ。ただ日々やることに追われ、
心の底からやりたいことを、私はまだ何一つやっていない気がする。

言い訳はごまんとある。
時間がない。お金がない。パソコンが壊れた。
仕事がたまっている。虚弱体質だ。才能がない……。

いや、わかっている。

それらは全部、嘘だ。

もし3週間で死ぬなら、
今、失うのを怖がっているものなんて、
どうでもよくなるはずだ。

正しいことを言わなくちゃ、
人になんて思われるかしら?
そんな心配もバカらしい。

自意識過剰にも程がある。

それにしても「死」が目の前に来なければ、
本気になれないのは人間の性か。

この命題は、映画でも小説でも何度も取り上げられている。

それほど、普遍的なテーマなのだ。

例えば、映画「ラスト・ホリディ」は、
そんな物語だった。

ストーリーは単純明快。

デパートの調理器具売場で働く、
太めで平凡な黒人女性ジョージア。

まじめに働いているが、
上司からは評価されず低賃金だ。

でも失業したくないので、
何も言えず小さく生きている。

そんな彼女はいつかやりたい
「夢のスクラップブック」をのぞいては、
ため息ばかり。

でも、ひょんなことから病院で検査を受け、
余命3週間と告げられるところから話は急展開する。

どうせ死ぬなら、最期の3週間を思いっきり生きようと、ようやく決意できたのだ。

「これから殻を破るわ!」

ジョージアは銀行から、老後のために貯めていた全財産をおろし、ヨーロッパの高級リゾート地へ旅立つ。

やりたいことを全部して、贅沢もして、言いたいことを言い、心のままに行動すると決意したジョージアは別人のように輝きだす。
(この変化、役者がうまい!)

そして、彼女に触れた人々は彼女の魅力にはまり、
いつしか彼らの人生も変わっていくのだ。

もちろん最後にはちゃんとハッピーなオチが待っている。
よくできたコメディだ。

これが、同じ人なのだろうかと不思議になるほど、
思考が変わると、人は変わる。

でも、「思考の制限」は簡単にはずれないのも事実。そこにジレンマがある。

観客は主人公に自分を重ね、
自分の人生を振りかえらざるを得ない。

もし、今日しか時間がないとしたら、
こいつと一緒にいるのか?

もちろん、リアルな世界でも、
実はそんな話はごろごろ落ちている。

そして、国籍、性別、仕事、何もかも違っても、
人生の転機(ピンチ)での、人の行動は驚くほど似ている。

 

それにしても、

病気にならないと
健康の大切さがわからない。

全財産を失わないと
本気でやりたいことをやらない。

愛する人を失わないと、
本当にその人の有り難さがわからない。

ギリギリにならないと動かない自分、
言い訳ばかりの自分。

「今のままで何も困らない」
「できるわけがない」
「リスクが大きすぎる」
「否定される」
「見捨てられる」
「前例がない」
「何もわからない」
「怖い、怖い、怖い!」

もし、今、あなたがそんな状態なら、
あなたの扉もノックされ始めているはずだ。

そして、その音を一度聞いてしまうと、
無視しても、逃げても無駄だ。
どこまでもついてくる。

コンコン、そろそろ私の声を聴いてください。
コンコン、そろそろ本音を感じてみてください。
コンコン、そろそろ……。

大丈夫。いちいちトラブルを起こす必要はない。
そんな時は、この言葉を3週間唱えてみよう。

 

人生を変えるアファメーション④

私は、殻を破ると決めた!